島根の住宅補助金は?家づくりで使える国・県・市町村の制度と流れ
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はじめに:補助金は「着工前」「予算」「併用」の3つで差がつく
島根県で注文住宅を建てることを考えたとき、「費用はどのくらいかかるのか」「補助金は使えるのか」と気になる方は多いと思います。国・島根県・松江市などが用意している制度を上手に使うと、数十万円から100万円以上の費用を抑えられるケースがあります。一方で、制度ごとに対象の条件や申請の期限が違い、「知らなかった」「着工してしまっていた」「予算が終わっていた」という理由で受け取れない方も少なくありません。
この記事では、2026年10月16日時点で公表されている公式の情報をもとに、島根で新築するときに確認したい国・島根県・松江市の制度を整理します。補助金の内容や受付状況は、予算の消化に応じて変わります。申請の前に、必ず各制度の公式ページで最新の情報を確認してください。
※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としています。補助金の受給を保証するものではありません。
補助金を受け取るために知っておきたい3つの原則
① 「着工前」に手続きが必要な制度が多い
多くの補助金は、工事の着工前に申請や契約が必要です。たとえば、国の「みらいエコ住宅2026事業」は、2025年11月28日以降に基礎工事に着手したものが対象です。松江市の太陽光発電・蓄電池の補助は、工事の着手前に申請しないと、交付決定が取り消されます。家づくりを始めた早い段階で、使える制度を確認しましょう。
② 予算に上限があり、期限の前に終了することがある
補助金には予算の枠があり、枠に達した時点で受付が終わります。実際に、みらいエコ住宅2026事業の第2期では、2026年10月16日時点で、予算に対する申請額の割合が、GX志向型住宅で65%、長期優良住宅・ZEH水準住宅で39%でした。また、注文住宅のZEH水準住宅は、すでに2026年9月30日で受付が終わっています。
③ 制度によっては併用できない
同じ工事に対して、複数の補助金を重ねて受けられない場合があります。たとえば、国の制度のうち、新築住宅では「みらいエコ住宅2026事業」と「給湯省エネ2026事業」を併用できません。併用の可否は、制度ごとの公式の案内で確認する必要があります。
国の制度:みらいエコ住宅2026事業(新築)
国土交通省・経済産業省・環境省が連携して進める「住宅省エネ2026キャンペーン」のうち、新築の注文住宅で中心になるのが「みらいエコ住宅2026事業」です。住宅の省エネ性能に応じて、補助額が決まります。
住宅の種類 | 1〜4地域 | 5〜8地域 | 対象の世帯 |
|---|---|---|---|
GX志向型住宅 | 125万円 | 110万円 | すべての世帯 |
長期優良住宅 | 80万円 | 75万円 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 |
ZEH水準住宅 | 40万円 | 35万円 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 |
※ 1戸あたりの補助額です。「地域」は、省エネ基準の気候の区分(1〜8地域)で、松江市は「5〜8地域」の欄の補助額が当たります(市町村ごとの区分は、出典の国土交通省の地域区分表で確認できます)。古い家を解体して建て替える場合は、長期優良住宅で20万円が加算されます。
子育て世帯:2025年4月1日時点で18歳未満の子がいる世帯です。
若者夫婦世帯:夫婦のどちらかが、2025年4月1日時点で39歳以下の世帯です。
GX志向型住宅には、床面積が50㎡以上240㎡以下という条件があります。
注文住宅の受付期限(2026年10月16日時点)
住宅の種類 | 交付申請の予約 | 交付申請 |
|---|---|---|
GX志向型住宅 | 2026年11月16日まで | 2026年12月31日まで |
長期優良住宅 | 2026年11月16日まで | 2026年12月31日まで |
ZEH水準住宅 | 2026年8月17日まで(終了) | 2026年9月30日まで(終了) |
※ いずれも、予算の上限に達した時点で終了します。公式サイトで状況を確認してください。
知っておきたい仕組み
申請するのは住宅事業者です。建築主が自分で申請することはできません。補助金は事業者に交付され、事業者から建築主に還元されます。
契約する会社が「みらいエコ住宅事業者」として登録されている必要があります。契約を決める前に、登録を確認しましょう。
基礎工事の完了後から2027年1月31日までに、補助額以上の出来高の工事が完了している必要があります。
なお、先進的窓リノベ2026事業は既存住宅の窓の改修向けで、新築の注文住宅は対象になりません。省エネ性能と光熱費の関係は、次の記事で整理しています。
島根県の制度:しまね省エネ住宅・再エネ設備パッケージ補助金
島根県が実施する補助金で、県産木材を使った省エネ住宅(ZEH)と、太陽光発電・蓄電池をセットで導入する方を支援します。令和8年度の受付期間は、2026年4月13日から12月25日までで、先着順です。予定の件数に達すると、期間中でも終了することがあります。
対象 | 補助額 |
|---|---|
ZEH住宅 | 補助対象経費と55万円のいずれか低い額 |
ZEH+住宅 | 補助対象経費と100万円のいずれか低い額 |
太陽光発電設備 | 1kWあたり7万円(最大9kW) |
蓄電池 | 価格の3分の1(上限は1kWhあたり4.7万円、最大10kWh) |
住宅と設備は、「ZEH+太陽光」「ZEH+太陽光+蓄電池」「ZEH++太陽光+蓄電池」など、決められた組み合わせの中から選んで申請します。いずれの場合も、太陽光発電の導入が必須です。
主な条件
- 県内に新築する戸建ての専用住宅で、建築主が建築後に常時居住する個人であること。
- 県産木材の供給から設計・施工までをグループ化して取り組む団体に属する中小工務店が施工すること(「しまねの木」活用工務店など。直近3年間の新築住宅の供給戸数が平均54戸以下であること)。
- 主要構造部(柱・土台)に「しまねの木」を35%以上使うこと。
- BELS(建築物の省エネ性能の表示制度)で、ZEHであることを示す証書を取得すること。
- 令和8年4月9日より前に契約したものは、対象外です。
つまり、この制度は、施工する会社の条件が厳しい制度です。ハウスメーカーによっては対象にならない場合があるため、契約する前に、「この制度を使える会社か」を確認することが欠かせません。
リフォームの制度
既存住宅をリフォームする方には、子育て配慮やバリアフリー、耐震の工事を支援する「しまね長寿・子育て安心住宅リフォーム助成事業」があります。工事の着工前の申込が必要です。
松江市の制度:新築・住み替えで確認したい補助
太陽光発電・蓄電池の補助(令和8年度)
- 住宅用の太陽光発電:太陽電池の出力1kWあたり25,000円(4kW以上は上限100,000円)
- 蓄電池:設置費用の補助(上限50,000円)。単独の設置も対象
申請は先着順で、工事の着手前に行う必要があります。島根県の補助金を活用した制度で、市への申請で県の補助金もあわせて交付されます。なお、上の「しまね省エネ住宅・再エネ設備パッケージ補助金」と重ねて使えるかどうかは、制度ごとの要件によるため、事前に確認が必要です。
子育て世帯定住団地取得支援補助金
子育て世帯が、市が指定する団地(マリンタウン加賀、宮谷グリーンタウン)で土地を取得して住宅を建てる場合の補助です。夫婦のどちらかが40歳未満、または12歳未満の子と同居する世帯が対象で、市内からの転居は100万円、市外からの転入(UIJターン世帯)は150万円です。対象の団地が限られるため、土地探しの段階で該当するかを確認しましょう。
三世代同居・近居住宅移転費補助金
市外から松江市へ移転して、三世代での同居や近居を始める子育て世帯の補助です。持ち家の場合は、仲介手数料・登記費用・移転の実費の2分の1(上限9万円)が対象で、移転する前に申請する必要があります。近居は、同じ公民館区域内か、直線距離で5km以内に住むことをいいます。
その他の市町村
島根県内の各市町村でも、移住・定住や子育て世帯向けの独自の支援があります。制度の内容や補助額は、年度によって変わります。お住まいや建築予定の市町村の公式サイトや窓口で、最新の情報を確認してください。
補助金を最大限に活用するための進め方
やりたいことを整理する(新築か、リフォームか。太陽光や蓄電池も入れるのか)。
国、県、市町村の順に、使える制度と、受付状況・予算を確認する。
着工前に必要な手続きや、契約の時期の条件を確認する。
住宅会社に、「この制度を使える会社か(登録事業者か)」「この仕様で建てられるか」を確認する。
併用できるかを確認し、公式の情報で最終確認してから申請する(会社が代わりに申請する制度が多い)。
補助金は、家づくりの総額を下げる助けになりますが、制度に合わせて仕様を決めた結果、費用が増えることもあります。総額の考え方は、次の記事で整理しています。
よくある質問
Q. 補助金は、自分で申請できますか?
制度によって違います。国のみらいエコ住宅2026事業は、建築主が自分で申請することはできず、契約する住宅事業者が申請します。島根県のパッケージ補助金は、建築主(個人)が申請します。松江市の制度は、市への申請です。
Q. 契約や着工のあとでも、補助金は使えますか?
多くの制度で、契約や着工の時期が条件になっています。国のみらいエコ住宅2026事業は、2025年11月28日以降に基礎工事に着手したものが対象です。島根県のパッケージ補助金は、令和8年4月9日より前の契約は対象外です。松江市の太陽光・蓄電池は、工事の着手前に申請する必要があります。すでに契約している場合は、早めに会社へ確認してください。
Q. 補助金を使うと、必ず得になりますか?
補助額だけでなく、条件を満たすための費用も合わせて、総額で比べる必要があります。ZEHや長期優良住宅にするための追加費用が、補助額を上回ることもあるためです。「補助金が出るから」ではなく、「その性能の家が、自分たちの暮らしに合うか」を軸に考えましょう。
島根の家づくり補助金・資金計画はイエカケに相談を
補助金の制度は多岐にわたり、「どの制度が使えるのか」「どの会社が対象なのか」は、専門家に確認するのが近道です。IEKAKE(イエカケ)は、島根県内で家づくりを考える方向けの相談窓口で、1級FP技能士で、地方銀行で不動産関連の融資に携わった代表が、次のような相談に応じています。
住宅会社選びの相談・比較(補助金の対象になる会社かどうかの確認を含む)
住宅ローン・資金計画のアドバイス(補助金を見込んだ資金計画づくり)
見積もりの比較・チェック
土地探しのサポート
まとめ
国の「みらいエコ住宅2026事業」は、GX志向型住宅(全世帯)で110万円(5〜8地域)。注文住宅のGX志向型と長期優良住宅は2026年12月31日が交付申請の期限で、ZEH水準住宅はすでに終了。
島根県の「しまね省エネ住宅・再エネ設備パッケージ補助金」は、ZEH+太陽光+蓄電池などの組み合わせで、最大200万円を超えることもある。ただし、県産木材と、対象の中小工務店が条件。受付は12月25日まで(先着)。
松江市には、太陽光・蓄電池、子育て世帯の団地取得、三世代同居・近居などの制度がある。
補助金は、着工前の手続きが原則で、予算が先に終わることもある。併用の可否も、事前の確認が必要。
補助金を上手に使えば、同じ予算でより高性能な家を建てることも可能になります。家づくりを考え始めた早い段階で、使える制度を確認しておきましょう。
【出典・参考】(2026年10月16日時点の公表資料)
国土交通省ほか「みらいエコ住宅2026事業(注文住宅の新築)」「住宅省エネ2026キャンペーン(新築)」
島根県「令和8年度しまね省エネ住宅・再エネ設備パッケージ補助金」(公募要領)
松江市「令和8年度太陽光発電システム・蓄電池設備について」「子育て世帯定住団地取得支援補助金」「三世代同居・近居住宅移転費補助金」
国土交通省「地域区分新旧表」(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等を定める件)


