頭金はいくら必要?目安と年収別の借入額を松江の価格から逆算
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「マイホームが欲しいけれど、頭金はいくら貯めればいいのだろう」——松江市で家づくりを検討し始めた方から、最初によく聞かれるのがこの質問です。結論からお伝えすると、頭金に絶対の正解はありません。大切なのは、頭金の額を先に決めるのではなく、「無理なく返せる借入額」と「必要な諸費用」から逆算することです。この記事では、住宅金融支援機構の調査で実際に家を買った方の手持金(頭金)がどれくらいだったのか、頭金で毎月の返済や総返済額がどう変わるのかを、数字で整理します。
実際に家を買った人の頭金(手持金)はいくら?
住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」で、首都圏・近畿圏・東海圏以外の地域(島根県を含む「その他地域」)の、住宅の取得に充てた手持金(頭金にあたるお金)を見てみましょう。
種類 | 手持金の平均 | 中央値 | 手持金なし | 100万円未満(なしを含む) |
|---|---|---|---|---|
建売住宅 | 242.5万円 | 3万円 | 43.5% | 66.0% |
土地付注文住宅 | 355.1万円 | 95万円 | 21.5% | 50.4% |
注文住宅(土地は別に用意) | 593.0万円 | 344万円 | 14.7% | 33.0% |
※ 住宅の購入や建築の資金(建売は購入価額、土地付注文は建設費+土地取得費、注文は建設費)に充てた手持金です。貯金の総額ではありません。フラット35を利用した方の調査で、島根県だけの数字ではありません(島根県の件数は土地付注文住宅で7件、建売住宅で2件、注文住宅で0件と少ないため、地域の数字を使っています)。
平均値は、少数の「大きな頭金を入れた方」に引っ張られるため、実感に近いのは中央値です。土地付注文住宅の中央値は95万円、建売住宅は3万円と、頭金をほとんど入れずに買っている方が少なくないことが分かります。
民間の住宅ローンでは、融資率はどうなっている?
同じく住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」では、民間の金融機関も含めて、住宅価格に対する融資額の割合(融資率)を調べています。
融資率 | 割合 |
|---|---|
50%以下 | 14.6% |
50%超〜80%以下 | 32.3% |
80%超〜90%以下 | 17.1% |
90%超〜100%以下 | 24.1% |
100%超 | 12.0% |
融資率が90%を超える方(=頭金が1割未満の方)が、合わせて36.1%いる一方、50%以下(=頭金が半分以上)の方も14.6%います。頭金の入れ方は、ご家庭によってさまざまです。
頭金の目安は「物件価格の1〜2割」と言われる理由
住宅ローンにおける頭金とは、物件価格のうち、現金で用意する自己資金の部分のことです。一般的には物件価格の1〜2割程度が目安とされていますが、これは「借入額を減らして毎月の返済を軽くするため」だけの数字ではありません。
理由① 融資率が9割を超えると、金利が高くなる商品がある
全期間固定の「フラット35」では、融資率(借入額÷住宅の建設費または購入価額)が9割以下か、9割を超えるかによって、適用される金利が違います。9割を超えると金利が高くなるため、頭金を1割以上用意すると、金利面で有利になります。なお、フラット35では、借入額の上限は建設費または購入価額までで、頭金がなくても借りられます。ただし、登記費用などの諸費用は、別に用意するのが一般的です。
理由② 頭金を入れると、返済額と利息が減る
土地付注文住宅の平均的な総額(建設費+土地取得費)4,534万円を、35年・金利1.5%で借りた場合の試算です。
頭金 | 借入額 | 毎月の返済額 | 利息の総額 |
|---|---|---|---|
なし | 約4,534万円 | 約138,800円 | 約1,297万円 |
1割(約453万円) | 約4,081万円 | 約124,900円 | 約1,167万円 |
2割(約907万円) | 約3,627万円 | 約111,100円 | 約1,037万円 |
3割(約1,360万円) | 約3,174万円 | 約97,200円 | 約908万円 |
※ 元利均等返済・ボーナス払いなし・諸費用なしの単純な試算です。実際の金利や条件は、金融機関によって異なります。
頭金を1割(約453万円)入れると、毎月の返済額が約13,900円、利息の総額が約130万円減る計算です。ただし、頭金を増やしすぎて手元の資金がなくなると、教育費や急な出費に対応できなくなります。頭金は「入れれば入れるほどいい」ものではなく、手元に残すお金とのバランスで決めましょう。
年収別・無理のない借入額の目安
住宅ローンの返済額は、年収に対して25%以内に収めるのが、一つの安全圏の目安です。この基準で、年収ごとの借入の目安を試算しました(35年返済)。右の列は、先ほどの平均的な総額4,534万円との差額で、頭金と諸費用で用意する必要があるおおよその金額です(金利1.5%の場合)。
世帯年収(月々の返済額) | 借入目安(金利1.5%) | 借入目安(金利2.0%) | 総額4,534万円との差 |
|---|---|---|---|
300万円(約6.3万円) | 約2,040万円 | 約1,890万円 | 約2,490万円 |
400万円(約8.3万円) | 約2,720万円 | 約2,520万円 | 約1,810万円 |
500万円(約10.4万円) | 約3,400万円 | 約3,150万円 | 約1,130万円 |
600万円(12.5万円) | 約4,080万円 | 約3,770万円 | 約450万円 |
700万円(約14.6万円) | 約4,760万円 | 約4,400万円 | 借入目安の範囲内(金利2.0%では約130万円) |
800万円(約16.7万円) | 約5,440万円 | 約5,030万円 | 借入目安の範囲内 |
※ 概算の試算値です。実際の借入可能額は、勤続年数・他の借入状況・金融機関の審査基準によって変わります。ご家庭の教育費などの事情によっても異なります。
参考までに、フラット35を利用する場合は、年収に占める年間の返済額の割合(総返済負担率)が、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下であることが利用の条件です。また、フラット35の利用者調査(その他地域・土地付注文住宅)では、世帯年収の平均が695.3万円、総返済負担率の平均が26.2%でした。

松江市の住宅価格から逆算する「頭金の現実的なライン」
先ほどの「その他地域」の土地付注文住宅では、総額(建設費3,549.1万円+土地取得費985.0万円)が平均4,534.1万円でした。島根県の令和8年地価公示では、松江市の住宅地の平均は1㎡あたり51,800円(約17.1万円/坪)で、50坪(約165㎡)の土地なら約856万円が目安です。松江市は、県内でも土地の価格が高めのエリアです。
この総額と、上の借入目安を照らし合わせると、次のようになります。
世帯年収300〜400万円台前半の場合:借入目安と総額の差が1,800万円以上になり、頭金を大きく用意するか、土地・建物の予算を見直す必要が出てきます。
世帯年収500万円前後の場合:差額は約1,100万円。頭金と諸費用をあわせて、計画的に準備する必要があります。建売住宅(平均3,094.9万円)や、土地をお持ちの注文住宅(建設費の平均3,741.7万円)なら、差は小さくなります。
世帯年収600万円の場合:差額は約450万円。頭金の平均(355万円)に近い水準で、平均的な総額に手が届きます。
世帯年収700万円以上の場合:借入だけで総額をカバーできるケースが多く、頭金は「金利が有利になる融資率9割以下にするか」「手元の資金をどれだけ残すか」という選択の話になります。
なお、頭金とは別に、登記費用・火災保険料・ローンの手数料などの「諸費用」が、現金で必要になる場合があります。諸費用の金額は、住宅の種類や借入先によって違い、物件価格の数%から1割程度かかるのが一般的とされています。頭金だけでなく、諸費用の準備も計画に組み込みましょう。
頭金が少なめでも大丈夫なケース・多めに用意すべきケース
頭金が少なめでもよいケース:勤続年数が長く収入が安定している、教育費のピークがまだ先——このような場合は、頭金を厚くするより、手元資金を残す選択も合理的です。
頭金を多めにしたいケース:すでに他のローン(車・教育ローンなど)がある、収入に対して物件価格が高め——このような場合は、頭金を増やして借入額を抑えることで、月々の返済に余裕を持たせやすくなります。
金利上昇に備えたいケース:頭金を増やして借入額そのものを圧縮しておくと、変動金利を選ぶ際の安心材料になります。

よくある質問
Q. 頭金なしでも、家は買えますか?
買えます。住宅金融支援機構の調査でも、手持金がなかった方は、建売住宅で43.5%、土地付注文住宅で21.5%いました。ただし、頭金なしでは借入額が増えて返済が重くなり、融資率が9割を超えて金利が高くなる商品もあります。手元に残すお金とのバランスを見て決めましょう。
Q. 諸費用も借りられますか?
金融機関によっては、諸費用を含めて借りられる商品があります。住宅金融支援機構の調査でも、融資率が100%を超える方が12.0%いました。ただし、借入額が増えるぶん利息も増えます。借りられるかどうかではなく、借りたあとの返済が無理なく続くかで考えましょう。
Q. 頭金が貯まるまで、家を買うのを待ったほうがいいですか?
一概には言えません。待っている間にも家賃は支払い続けますし、金利や建築費、土地の価格も動きます。「いつ買うか」を決める前に、今の収入と貯蓄で、頭金と諸費用、返済額の条件を整理して、「今の条件で無理がないか」を確認するのが近道です。
まとめ:頭金は「逆算」で決める
頭金の金額に「絶対の正解」はありません。大切なのは、頭金の額を先に決めるのではなく、「無理なく返せる借入額」と「必要な諸費用」を把握したうえで、逆算して頭金の目安を決めることです。年収や家族構成、将来の教育費によって、最適なバランスは一人ひとり異なります。
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【出典・参考】(2026年10月時点の公表資料)
住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」(手持金・所要資金・総返済負担率。「その他地域」の数字)
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」(融資率)
住宅金融支援機構「【フラット35】融資率とは」「ご利用条件」
島根県「令和8年地価公示について」
※ 本記事の金額・返済額は、いずれも概算の試算値です。実際の借入可能額・適用金利は金融機関の審査によって異なりますので、詳細は個別相談にてご確認ください。



