団信とは?選び方の基準とペアローンの注意点をわかりやすく
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住宅ローンを組むとき、必ずといっていいほど耳にするのが「団信(だんしん)」という言葉です。しかし、「なんとなく加入しているけれど、内容はよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、団信の基本的な仕組みと費用、選び方の判断基準、そして近年増えている「ペアローン」を組む場合の考え方を、住宅金融支援機構(フラット35)の公式資料と調査をもとに解説します。
団信とは何か
団信とは「団体信用生命保険」の略称で、住宅ローンの契約者が死亡または所定の状態(高度障害・身体障害など)になった場合に、生命保険会社がローン残高を金融機関に支払い、残された家族がローン返済を続けなくてよくなる仕組みの保険です。
民間の金融機関では、住宅ローンを組むときに団信への加入が条件になっていることが多くあります。一方、全期間固定の「フラット35」では、健康上の理由などで団信に加入しない場合でも、ローンを利用できます。

団信の種類と費用:フラット35を例に
団信には、保障の範囲の違いでいくつかの種類があります。保障の範囲や費用の考え方は、金融機関や商品によって異なるため、ここでは、公式の資料で内容が確認できるフラット35(2025年4月現在)を例に見てみましょう。
プラン | 保障の内容 | 金利への上乗せ |
|---|---|---|
新機構団信 | 死亡・身体障害(身体障害1級・2級に該当した場合)。基本のプラン | なし(団信付きの金利に含まれる) |
新3大疾病付機構団信 | 上記に加え、3大疾病・介護の場合も保障 | 年0.24% |
ペア連生団信 | 連帯債務で借りるご夫婦(パートナー関係を含む)が対象。どちらかに万一のことがあったら、持分や返済割合にかかわらず、以後の返済が不要になる | 年0.18% |
※ 新3大疾病付機構団信の申込は満15歳以上満51歳未満、ほかのプランは満15歳以上満70歳未満です。新3大疾病付機構団信では、ペア連生団信は利用できません。
借入額3,000万円・35年・元利均等・団信付き金利1.80%で借りた場合の、毎月の返済額の例です。
プラン | 毎月の返済額 | 新機構団信との差(毎月) | 35年間の差の総額 |
|---|---|---|---|
新機構団信 | 96,327円 | - | - |
ペア連生団信 | 99,071円 | +2,744円 | 約115万円 |
新3大疾病付機構団信 | 99,995円 | +3,668円 | 約154万円 |
※ 毎月の返済額は住宅金融支援機構の資料の例。35年間の総額は、毎月の差額に420か月をかけた概算です。
民間の金融機関では、一般団信は金利の上乗せなしで加入できる商品が多く、3大疾病や8大疾病、がんなどの保障を付けると、金利が上乗せされる商品が多くあります。上乗せの幅や、保障の条件は金融機関によって違うため、必ず比較してください。保障の範囲を広げるほど、返済額は少しずつ増えます。
団信を選ぶ際の判断基準
団信をどこまで手厚くするかを考える際には、次のポイントを整理することが大切です。
家計の中で、その人の収入が占める割合:主たる収入を得ている方が万一の際に、ローンが完済される仕組みなので、収入への依存度が高い人ほど、保障を手厚くする意味があります。
他の生命保険・医療保険との重複:すでに死亡保険や医療保険に加入している場合は、団信の保障と重複していないかを確認しましょう。保障が重なるぶん、保険料や金利の上乗せが無駄になることがあります。
金利上乗せによる総返済額への影響:上の例のとおり、保障を手厚くするほど、35年間で百万円単位の差が出ます。保障の内容と、費用のバランスを見極める必要があります。
家族構成やライフステージ:小さなお子さんがいる家庭では、万一の際の生活保障として、団信の意味合いが大きくなります。
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」でも、民間の住宅ローンを選んだ理由として、「金利の低さ」(62.0%)に次いで、「団体信用生命保険の保障内容」(17.8%)が2番目に多くなっています。金利だけでなく、保障の内容も、ローン選びの大きなポイントになっていることが分かります。
ペアローンは増えている:実際の利用状況
夫婦などの2人が、それぞれ別のローンを組む「ペアローン」や、2人の収入を合わせて1つのローンを組む「収入合算」を選ぶ方は、年々増えています。同じ調査によると、ペアローンまたは収入合算を利用した方は38.7%(ペアローン24.1%、収入合算14.6%)でした。年代別に見ると、若い世代ほど多くなっています。
年代 | ペアローン | 収入合算 | 合計 |
|---|---|---|---|
20代 | 35.3% | 21.3% | 56.6% |
30代 | 30.9% | 14.4% | 45.3% |
40代 | 16.5% | 13.6% | 30.1% |
50〜60代 | 12.6% | 12.1% | 24.7% |
ペアローンでは、2人がそれぞれ別のローン契約を結び、それぞれが自分のローンについて団信に加入するのが基本です。そのため、万一のときに完済されるのは、亡くなった(所定の状態になった)本人のローンだけで、もう一方のローンは返済が続きます。ここが、団信の選び方を考えるうえで、一番のポイントです。
ペアローンの場合の団信の考え方
夫婦それぞれが団信に加入するペアローンでは、「2人とも、同じように手厚い団信に入るべきか」という疑問が出てきます。次の3つの視点で整理しましょう。

① 保障の金額は、それぞれのローン残高で決まる
ペアローンでは、それぞれの持分・返済負担割合に応じて、団信が完済してくれる金額も、その人のローン残高分に限られます。返済負担が小さい側は、保障される金額が小さいため、費用をかけて保障を厚くしても、効果は限られます。一方で、返済負担の大きい側が万一のとき、そのローンは完済されますが、もう一方の返済は残ります。その返済を、1人の収入で続けられるかも、あわせて確認が必要です。
② 育休・時短勤務などによる収入の変動
出産や育児で、一時的にキャリアを中断する可能性がある場合、その期間はローンの返済そのものが、家計の負担になります。収入が変動しやすい側の返済を、もう一方の収入でカバーできるか、そして、どちらに万一のことがあっても家計が回るかを、シミュレーションしておくと安心です。
③ 上乗せ金利のコストを、総額で比べる
2人とも3大疾病付きにすると、上乗せ金利が2人分かかります。たとえば、3,000万円を借りる人がフラット35の新3大疾病付機構団信を選ぶと、35年間で約154万円の差になります。返済負担に応じて、保障を厚くする側とそうでない側を分ける方法もあります。
ペアローン以外の選択肢:ペア連生団信(連生団信)
2人の収入を合わせて、連帯債務で1つのローンを借りる場合には、夫婦のどちらかに万一のことがあったとき、持分や返済割合にかかわらず、以後の返済がすべて不要になる「ペア連生団信」というプランもあります。フラット35では、年0.18%の金利上乗せで利用できます。民間の金融機関にも、同様の連生団信を取り扱う商品がありますが、条件は金融機関によって違います。
どの方法が合うかは、2人の収入の割合、返済負担の割合、お子さんの年齢、他の保険の内容で変わります。ここまでの視点を参考に、金融機関の資料を横並びで比べてみてください。
よくある質問
Q. 健康に不安があり、団信に入れるか心配です。
民間の金融機関では、団信に加入できないとローンを組めない場合があります。告知の内容によっては、加入条件が緩やかな商品(金利が上乗せされるものなど)もあります。フラット35は、健康上の理由などで団信に加入しない場合でも、利用できます。早めに、複数の金融機関に相談してください。
Q. すでに生命保険に入っています。見直すべきですか?
団信に加入すると、死亡や所定の状態になったときの住居費の負担がなくなるため、必要な死亡保障の金額が変わる場合があります。ただし、団信で保障されるのはローンの残高分だけで、生活費や教育費は含まれません。保険を見直す場合は、団信の保障内容を確認したうえで、不足がないように検討してください。
Q. 3大疾病付きの団信は、付けたほうがいいですか?
一概には言えません。保障が手厚くなる一方で、金利の上乗せで、総返済額が百万円単位で増えます。他の保険でカバーできているか、貯蓄に余裕があるかも合わせて、費用と安心のバランスで決めてください。
まとめ:団信は「入れるだけ」ではなく、家計に合わせて選ぶ
団信は、「入っておけば安心」というものではなく、家計の中での収入の役割や、既存の保険とのバランスを踏まえて選ぶことが重要です。特にペアローンを検討されている方は、2人それぞれの返済負担と収入の割合、そして万一のときに、もう一方の返済が続くことを前提に、保障の厚さを考えてみてください。
住宅ローンの組み方や団信の選び方は、ご家庭ごとの収入状況やライフプランによって最適解が異なります。イエカケでは、こうした資金計画のご相談も無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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【出典・参考】(2026年10月時点の公表資料)
住宅金融支援機構「新機構団体信用生命保険制度の概要」(2025年4月現在)
住宅金融支援機構「【フラット35】融資率とは」(団信の加入は任意であることの記載)
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」(ペアローン・収入合算の利用割合、ローンを選んだ理由)
※ 毎月の返済額は、住宅金融支援機構の資料の例(借入額3,000万円・35年・元利均等・ボーナス払いなし・団信付き金利1.80%)です。実際の金利や条件は、金融機関や時期によって異なります。



