建売と注文住宅はどっちがいい?違い・費用・ローンを松江で比較
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建売住宅か、注文住宅か。松江で家づくりを考え始めた方から、とてもよくいただくご相談です。結論を先にお伝えすると、どちらかが常に正解ということはありません。この記事では、総額・立地・性能・間取り・入居時期・住宅ローンと税金の6つの視点で両者の違いを整理し、公的な統計や制度の情報をもとに、判断の順番をご紹介します。
結論:どちらが正解かではなく、「4つの条件」で決まる
建売は、土地と建物がセットで売り出されている住宅を購入する方法です。注文住宅は、土地を探し(またはお持ちの土地に)、間取りや仕様を決めて建築会社に建ててもらう方法です。どちらが合うかは、次の4つの条件で決まります。
総額:家計の安全ラインから決まる、無理なく払い続けられる予算
場所:住みたい地域・学区・通勤、敷地の条件
性能:断熱・耐震・維持費など、長く住むための性能
時間:いつまでに入居したいか
立地と仕様が現物でぴたりと合い、入居の時期も決まっているなら、建売は合理的な選択です。場所や性能・間取りにこだわりがあり、時間をかけられるなら、注文住宅の自由度が活きます。迷うときは、まず「家計の安全ライン」から総額の上限を決め、その範囲で4つの条件に優先順位をつけるのが近道です。
建売と注文住宅は何が違う?まず基本から
建売住宅(分譲住宅)
不動産会社や住宅会社が土地を仕入れて建物を建て、土地と建物をセットで販売する住宅です。完成済みの物件は実物を見て決められ、建築中・計画中の物件は図面や仕様書で判断します。売買契約を結び、引き渡し時に代金を支払うのが基本です。
注文住宅
土地を購入して(またはお持ちの土地に)、間取りや仕様を決め、建築会社と工事請負契約を結んで建てる住宅です。土地探し・設計・打合せ・着工と段階があり、引き渡しの前に工事代金を分けて支払う場面があります。土地から探す場合は「土地付き注文住宅」とも呼ばれます。
① 価格・総額:建売は「完成品の価格」、注文は「積み上げの総額」
建売は、土地と建物を合わせた販売価格が最初から示されているので、比べやすいのが特徴です。注文住宅は、土地代・建物の本体工事費・付帯工事(地盤改良や給排水の引き込みなど)・外構・諸費用を積み上げていくため、最初は総額が見えにくく、打合せを重ねるうちに増えていくこともあります。
実際の金額感を、住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」で見てみましょう。首都圏・近畿圏・東海圏以外の地域(島根県を含む「その他地域」)の平均は次のとおりです。
種類 | 平均の金額 | 住宅面積 | 敷地面積(中央値) |
|---|---|---|---|
建売住宅 | 購入価額 3,094.9万円 | 104.1㎡ | 182.3㎡ |
土地付注文住宅 | 4,534.1万円(建設費 3,549.1万円+土地取得費 985.0万円) | 112.4㎡ | 250.0㎡ |
注文住宅(土地は別に用意) | 建設費 3,741.7万円 | 117.9㎡ | 320.3㎡ |
※ フラット35を利用した方の平均で、島根県だけの数字ではありません。金額の定義は、建売が「購入価額」、注文住宅が「建設費」、土地付注文住宅が「建設費+土地取得費」と、種類ごとに異なります。
平均では、建売と土地付注文住宅で1,400万円ほどの開きがあります。ただし、敷地面積(182㎡と250㎡)も住宅面積(104㎡と112㎡)も違い、性能や外構の内容も同じではありません。金額だけを見て「建売は安い」「注文は高い」と決めず、広さと性能をそろえて、総額で比べることが大切です。
松江市の土地代の目安
注文住宅では、土地代が総額の大きな部分を占めます。島根県の令和8年地価公示によると、松江市の住宅地の平均価格は1㎡あたり51,800円(調査37地点)で、島根県全体の平均34,600円を上回ります。1坪あたりに直すと約17.1万円で、50坪(約165㎡)の土地なら、平均的な価格で約856万円が目安です。
ただし、場所による差は大きく、同じ松江市内でも最高101,000円/㎡、最低10,800円/㎡と、約9.4倍の開きがあります。50坪で比べると、約180万円から約1,670万円の幅です。松江市の住宅地は前年比0.7%の上昇(前年は0.8%)で、上昇が続いており、利便性の高い地域では、土地探しに時間がかかることもあります。
総額をブレさせない見積の見える化
建売でも注文でも使える、総額を横並びで比べるための5つのポイントです。
総額テンプレで横並びにする(本体・付帯・外構・諸費用)。
標準仕様書を横並びにする(断熱・窓・屋根・外壁・床材・水回り)。
オプションの定義を先に出す(建売は「含まれるもの」と「別途のもの」を確認)。
地盤・造成・外構は、早めに暫定の金額を計上する。
ローン費用・保険・引っ越しまで、セットで総額にする。

② 仕様・性能:満足度と生涯コストを左右します
2025年4月から、建築物省エネ法の改正により、新築住宅は原則すべて省エネ基準への適合が義務になりました。建売でも注文でも最低限の省エネ性能はありますが、「どこまで性能を上げるか」は住宅ごとに違い、光熱費や住み心地、将来の維持費に影響します。
建売は、提示された仕様を確認して、納得できるなら購入するのが基本です。注文は、目標とする性能(UA値・C値・窓の種類・耐震等級)を先に決めて、設計で到達させます。性能を自分で決められるのが注文の強みですが、建売でも、仕様書や性能の書類をしっかり読めば、性能の高い物件を見分けられます。確認したい項目は次のとおりです。
断熱:断熱等級6・7に到達しているか。UA値の提示を求める。
窓:樹脂かハイブリッドか、Low-E複層かトリプルか、サッシの気密等級。
気密:C値の測定の有無(目安は1.0以下)。
日射計画:方位別の窓面積・庇・η値の考え方。
換気:第1種か第3種か、メンテナンスのしやすさ。
構造:耐震等級3か、許容応力度計算の有無。
維持費:外壁・屋根材の更新サイクルと概算。

③ 立地・資産性:場所を「選べる」か「確かめられる」か
建売は、販売されている区画の中から選ぶ形になり、学区・道路の幅・日当たり・近隣の雰囲気を、自分で選び直すことはできません。一方、完成済みの物件なら、日当たりや眺め、周辺の騒音や人通りを、現地で確かめてから決められるのは、建売ならではの安心です。
注文住宅は、土地から探せるので、学区・通勤・日当たり・将来の資産性まで、優先順位をつけて選べます。そのかわり、土地探しの時間と手間がかかり、地盤改良や造成、外構(駐車計画・目隠し)の費用が、土地が決まってから分かることもあります。松江は宍道湖・中海に囲まれた水郷都市で、地盤や水害のリスクの確認も欠かせません。
島根県の資料では、松江市や出雲市の利便性の良い地域へ人の流れが続いており、地価の上昇がみられると説明されています(令和8年地価公示)。人気のエリアでは物件が限られるため、希望の条件に優先順位をつけておくことが大切です。
なお、土砂災害特別警戒区域などの災害レッドゾーンにある新築住宅は、2028年以降に入居する場合、住宅ローン減税の対象外になります。建売でも注文でも、ハザードマップで土地の災害リスクを確認しましょう。

④ 間取り・設計の自由度
建売は、多くの方が暮らしやすいように作られた、汎用的なプランが中心です。暮らし方に合っていれば満足度が高く、実物を見て広さや動線を確かめられます。未完成の物件では、壁紙や設備などを選べる場合もあります(売主によって異なるため、契約の前に確認しましょう)。
注文は、家族の暮らし方や敷地の形に合わせて、回遊動線・連続収納・吹き抜けなどを自由に設計できます。同じ坪数でも、設計の工夫で体感の広さは大きく変わります。そのぶん、決めることが多く、打合せの回数と時間、判断の負担も増えます。
⑤ 入居までの期間
完成済みの建売は、住宅ローンの審査や契約の手続きが進めば、比較的短い期間で入居できます。建築中の物件は、完成までの期間を待つことになります。
注文住宅は、土地探し・プランの打合せ・契約・建築確認・着工・完成と段階があり、土地探しから入居まで、一般に1年前後かかることが多いです(土地がすぐに見つかるかどうかで大きく変わります)。現在のお住まいの更新時期や、お子さんの入学の時期など、入居したい時期から逆算して決めましょう。
⑥ 住宅ローンと税金・保証の違い
ローンが実行されるタイミング
建売は、引き渡し時に代金を支払うため、住宅ローンも引き渡し時に一括で実行されるのが基本です。注文住宅は、土地代・着工金・中間金など、引き渡しの前に支払いが発生します。そのため、つなぎ融資や、分割での融資実行を使う場合があり、対応や条件は金融機関によって異なります。注文住宅を考えるときは、早めに金融機関へ確認しておくと安心です。
住宅ローン減税(2026年〜2030年に入居する新築)
住宅ローン減税は、年末のローン残高の0.7%が所得税などから控除される制度で、令和8年度の税制改正で延長されました。新築住宅は、住宅の性能によって借入限度額と控除期間が決まり、建売でも注文でも同じ基準です。国土交通省の資料では、次のとおりです。
住宅の性能 | 借入限度額(一般) | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
省エネ基準適合住宅(※) | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
※ 省エネ基準適合住宅は、2026年・2027年に入居する場合が対象です。2028年以降の入居は対象外ですが、2027年末までに建築確認を受けた住宅、または2028年6月30日までに建築された住宅は、借入限度額2,000万円・控除期間10年で適用されます。
「子育て世帯・若者夫婦世帯」とは、19歳未満の扶養親族がいる世帯、または夫婦のどちらかが40歳未満の世帯です。このほか、合計所得金額が2,000万円以下、床面積が40㎡以上(所得が1,000万円を超える場合などは50㎡以上)といった条件があります。制度は改正されることがあるため、契約の前に最新の情報を確認してください。
どちらを選ぶ場合も、控除を受けるには、性能を証明する書類(建設住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書など)が必要です。建売は売主に書類を取得できるかを、注文住宅は設計の段階で取得するかどうかを、確認しておきましょう。
保証(契約不適合責任)
新築住宅は、法律(住宅の品質確保の促進等に関する法律)により、構造耐力上主要な部分と、雨水の浸入を防ぐ部分について、引き渡しから10年間、売主または施工会社が責任を負います。建売でも注文でも共通ですが、保証の範囲やアフターサービスの内容、窓口は会社によって違うので、契約の前に書面で確認しましょう。
比較表:建売と注文住宅の違い
比較軸 | 建売 | 注文 |
|---|---|---|
価格・総額 | 販売価格が示され、比べやすい(外構・諸費用が含まれるかは要確認) | 土地・建物・外構・諸費用の積み上げ。予算内に収める設計が必要 |
立地 | 販売区画から選ぶ(完成済みなら現地を確かめてから決められる) | 土地から自由に選べる(探す手間と時間がかかる) |
性能 | 提示された仕様次第(書類を確認して見分ける) | 目標値を先に決め、設計で到達させる(UA値・C値・窓・耐震等級) |
間取り | 汎用プラン(暮らしに合えば満足度が高い) | 家族や敷地に合わせて設計(回遊動線・連続収納など) |
入居まで | 早い(完成済みなら最短) | 土地探しから1年前後が目安 |
ローンの実行 | 引き渡し時に一括が基本 | 引き渡し前の支払いに、つなぎ融資や分割実行が必要な場合あり |
向いている人 | 立地と仕様が合っていて、入居を急ぐ人 | 場所や性能・間取りにこだわりがあり、時間をかけられる人 |
向いている人と、失敗しやすいポイント
建売が向いている人
入居したい時期が決まっている
現地と仕様書を見て、立地と性能に納得できる物件がある
総額を早く確定させて、予算を立てやすくしたい
打合せの回数や、決めることの負担を減らしたい
注文が向いている人
学区や敷地など、場所へのこだわりが強い
性能や間取りの希望が、はっきりしている
土地探しから進める時間がある
光熱費や維持費まで含めて、設計で整えたい
失敗しやすいポイントと対策
建売:標準仕様の確認不足。断熱・窓・設備のグレードを見ずに契約すると、思ったより性能が低いことがあります。仕様書と性能の書類を、契約の前に確認しましょう。
建売:別途費用の見落とし。外構・カーテン・照明・エアコンなどが含まれない場合があります。「含まれるもの」と「別途のもの」を一覧にしてもらいましょう。
注文:オプションの積み上げによる予算超過。打合せのたびに少しずつ増え、気づくと予算を超えていることがあります。総額の上限を先に決め、定期的に見直しましょう。
注文:土地まわりの費用が後から判明。地盤改良・造成・インフラの引き込みなどは、土地が決まってから分かることがあります。早めに暫定の金額を見込んでおきましょう。
共通:1社だけで決めてしまう。複数の会社や物件を、同じ条件(総額・仕様)で比べることが、後悔を減らします。
よくある質問
Q. 建売のほうが安いのは本当ですか?
平均では、建売のほうが金額は低くなっています(上の表のとおり、地方圏の平均で建売3,094.9万円、土地付注文住宅4,534.1万円)。ただし、敷地や住宅の広さ、性能、外構の内容が違うため、同じ条件にそろえて総額で比べることが大切です。
Q. 建売でも住宅ローン減税は受けられますか?
受けられます。建売でも注文でも、住宅の性能に応じた借入限度額と控除期間が適用されます。性能を証明する書類が必要なので、購入前に売主へ確認しましょう。
Q. 建売の間取りや仕様は変更できますか?
売主によって異なります。完成済みの物件は基本的に変更できませんが、未完成の物件では、壁紙や設備などを選べる場合があります。構造や間取りは、原則として変更できないと考えておきましょう。
Q. 注文住宅は、土地探しからどれくらいかかりますか?
一般に1年前後が目安です。希望の土地がすぐ見つかるかどうかで、期間は大きく変わります。入居したい時期が決まっている場合は、早めに土地探しを始めましょう。
Q. どちらを選ぶにしても、最初に何をすればよいですか?
まず、家計の安全ライン(無理なく払い続けられる額)から、総額の上限を決めることです。そのうえで、場所・性能・時間の優先順位をつけると、建売と注文のどちらが合うかが見えてきます。
まとめ:判断の順番で迷わない
建売と注文住宅は、どちらが優れているかではなく、ご家族の条件にどちらが合うかで決まります。次の順番で考えると、迷いにくくなります。
家計の安全ラインから、総額の許容ゾーンを決める
入居したい時期を決める
場所(学区・通勤・敷地)の優先順位をつける
求める性能と間取りを整理する
複数の候補を、同じ条件(総額・仕様書)で横並びにして比べる
立地と仕様が合っていて入居を急ぐなら建売が、場所や性能・間取りにこだわって時間をかけられるなら注文住宅が、有力な選択肢になります。IEKAKEは、特定の住宅会社に偏らない中立の立場で、建売・注文のどちらの場合も、総額の整理から比較の進め方まで、ご一緒に考えます。
【出典・参考】(2026年10月時点の公表資料)
住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」
島根県「令和8年地価公示について」
国土交通省「住宅税制」および「住宅ローン減税(令和8年度税制改正後)Q&A【2026年7月更新】」






