教育費と住宅ローンは両立できる?子育て世帯の返済計画の立て方
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松江で家づくりを考える子育て世帯から多い相談が、「ローンは払える気がするけど、教育費が増えたら不安…」というものです。家は一生の買い物ですが、子育て期は支出が増えやすく、家計が一番揺れやすい時期でもあります。この記事では、文部科学省の「子供の学習費調査」などの公的な資料をもとに、教育費が増える“ピーク”を見据えたうえで、家計が崩れない住宅ローンの考え方と進め方を、IEKAKEの視点で分かりやすくまとめます。

結論:住宅ローンは「今の払える」ではなく「教育費ピークでも払える」で決める
住宅ローンを考えるとき、つい「今の家賃と比べてどうか」「月々いくらなら大丈夫か」から入りがちです。ですが子育て世帯にとって本当に大事なのは、教育費が増える時期(ピーク)に家計が赤字にならないこと。ここを押さえるだけで、予算の決め方も、固定・変動の選び方も、住宅会社比較の軸もブレにくくなります。
教育費ピークはいつ来る?公的な統計で見る
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」(令和8年1月公表の訂正版)では、保護者が1年間に支出した、子ども1人あたりの学習費の総額(学校の費用、給食費、塾・習い事などの学校外の費用の合計)が、学校の種類ごとにまとめられています。
学校の段階 | 公立(年額・月あたり) | 私立(年額・月あたり) |
|---|---|---|
幼稚園 | 約18.5万円(月約1.5万円) | 約34.7万円(月約2.9万円) |
小学校 | 約36.7万円(月約3.1万円) | 約174.2万円(月約14.5万円) |
中学校 | 約54.2万円(月約4.5万円) | 約156.0万円(月約13.0万円) |
高等学校(全日制) | 約59.7万円(月約5.0万円) | 約117.9万円(月約9.8万円) |
※ 公立・私立それぞれの平均です。ご家庭ごとの差は大きく、塾や習い事の有無で変わります。
公立に通う場合でも、小学校から中学校、高校へと、学習費は段階的に増えていきます。内訳を見ると、中学校(公立)では塾・習い事などの「学校外活動費」が年約35.6万円と、学習費総額の約65%を占めています。
大学では、さらに大きな費用がかかります。
私立大学(文部科学省「令和7年度入学者に係る学生納付金等調査」):授業料の平均は年約96.8万円、入学料は約24.0万円、施設設備費は約17.3万円で、初年度に納める費用の総計は平均約150.8万円です。
国立大学:国が示す標準額は、授業料が年535,800円、入学料が282,000円です。各大学は標準額の120%まで定めることができ、これより高い大学もあります。
ここで大事なのは、細かい金額を当てることではなく、「いつ頃、支出が増えそうか」を見える化することです。お子さんの年齢から、幼稚園(3〜5歳)、小学校(6〜11歳)、中学校(12〜14歳)、高校(15〜17歳)、大学(18歳〜)の時期を年表にするだけでも、住宅ローンの“安全ライン”が決めやすくなります。
幼稚園から高校までの15年間の総額
同じ調査で、幼稚園3歳から高校3年生までの15年間の学習費総額(子ども1人あたり)を、進路のパターンごとに見てみましょう。
パターン | 15年間の学習費総額 |
|---|---|
すべて公立 | 約614万円 |
幼稚園だけ私立、ほかは公立 | 約665万円 |
幼稚園と高校が私立、小・中学校は公立 | 約838万円 |
すべて私立 | 約1,969万円 |
お子さんが2人なら、単純にこの2倍が目安になります。進路によって、3倍以上の差が出ることが分かります。
支出が重なる年の計算例
子育て世帯が苦しくなりやすいのは、複数のお子さんの教育費が重なる年です。たとえば、上の子が私立大学の1年目(初年度の納付金 約150.8万円)、下の子が公立高校(年約59.7万円)の年は、合わせて年約210万円(月あたり約17.5万円)です。ここに住宅ローンの返済(たとえば月10万円=年120万円)と生活費が加わります。ローンの返済額だけでなく、その年の家計全体を見ることが大切です。
家計が崩れない「住宅ローンの安全ライン」の作り方
IEKAKEでは、まず次の3つをセットで確認します。
① 返済額は「余白が残る金額」にする
住宅ローン返済は、教育費だけでなく、車の買い替え・家電・旅行・医療費など、生活のイベント費とも競合します。だから返済額は「払えるギリギリ」ではなく、貯蓄が続く金額にします。目安としては、毎月の返済後も「先取り貯蓄」ができる状態が理想です。
参考までに、住宅金融支援機構の調査(2026年1月調査)では、実際に住宅ローンを借りた方の約8割が、返済負担率(年間返済額÷世帯年収)25%以内でした。ただし、教育費が重なる子育て世帯は、これより低めに設計しておくと安心です。
② 緊急資金を確保してから借りる
子育て中は予定外の出費が起きやすいです。病気、転職、働き方の変更などもあり得ます。住宅に資金を寄せすぎると、いざというときに苦しくなるので、生活費6か月分を目安に、現金の余力(緊急資金)を残す考え方が安全です。
③ 教育費ピークの年に「赤字にならない」か確認する
家計を簡単に見える化して、教育費ピーク期に、次の4つを足し算しても赤字にならないかをチェックします。
住宅ローン
教育費
生活費
車などの固定費
ここがクリアできると、「この予算なら安心」の根拠になります。
使える制度で、教育費の負担はどれくらい軽くなる?
教育費の負担を和らげる国や市の制度も、年表に書き込んでおきましょう。制度は変わることがあるため、最新の内容は、各機関の案内で確認してください。
制度 | 内容 |
|---|---|
児童手当 | 令和6年10月から、所得制限がなくなり、高校生年代まで支給。3歳未満は第1子・第2子が月1.5万円、3歳〜高校生年代は第1子・第2子が月1万円、第3子以降は年齢にかかわらず月3万円 |
高校の授業料支援(高等学校等就学支援金) | 令和8年度から、世帯の年収にかかわらず対象。支給上限額は年額、公立(全日制)11.88万円、私立(全日制)45.72万円 |
多子世帯の大学授業料等の減免 | 令和7年度から、扶養する子どもが3人以上で大学等に通う場合、所得制限なしで、国が定めた額まで授業料・入学金を減免。上限額(大学・年額)は、国公立が授業料54万円・入学金28万円、私立が授業料70万円・入学金26万円 |
松江市の子ども医療費助成 | 0歳〜中学3年生は入院・通院・薬局とも自己負担0円。令和7年4月から高校生年代も対象(1割負担、上限あり) |
これらは、「あれば家計が楽になる」ものとして年表に入れておき、ローンの返済計画は、制度に頼りすぎない範囲で組むのが安全です。たとえば児童手当は、教育費用の口座に積み立てておくと、ピークに備えられます。
固定・変動は“教育費耐性”で選ぶ
子育て世帯が迷いやすい固定/変動ですが、判断軸はシンプルです。
固定が向くケース
教育費ピークがこれから来る
返済額が上がると家計が不安
共働きでも働き方が変わる可能性がある
固定は「安心を買う」選択です。家計の見通しが立ちやすく、教育費が増える時期でもブレにくいのが強みです。
変動が向くケース
家計に余白が大きい
貯蓄が増える設計にできる
金利が上がっても吸収できる緊急資金がある
変動を選ぶなら「上がったらどうするか」までをセットで決めておくのが前提です。
迷うならミックスも有効
固定と変動を組み合わせて、安心と軽さを分散する方法です。教育費ピークまでの期間は固定寄り、余白を作る部分は変動など、家計の形に合わせて設計できます。金利が上がると返済額がどう変わるか、数字での試算は次の記事で詳しく解説しています。
松江の家づくりで注意:建物だけでなく「総額」を先に固める
松江でも、土地条件や外構、造成、駐車計画などで総額が動きます。建物の見積もりだけ先に進めてしまうと、あとから総額が増えて、教育費や貯蓄に回す余力が削られることもあります。だからこそ最初に、土地+建物+外構+諸費用+予備費で総額を固め、教育費ピークでも守れる枠に収めるのが大切です。
よくある質問
Q. 教育費は、いくら貯めておけばいいですか?
ご家庭の進路の考え方で大きく変わります。公立中心なら、15年間(幼稚園〜高校)で約614万円、私立が増えるほど増えます。大学の費用は、別に準備が必要です。まずは、お子さんごとに「公立か私立か、大学に進むか」の想定を置いて、年表に落とすことから始めましょう。
Q. 私立への進学も考えています。住宅ローンへの影響は?
私立の小学校・中学校は年150万円を超える場合があり、公立との差が大きくなります。私立を選択肢に入れるなら、その年の教育費を多めに見積もったうえで、返済額に余白を持たせてください。
Q. 子どもが2人以上の場合、どう考えればいいですか?
お子さんごとの教育費を年表に並べ、支出が重なる年を見つけるのがポイントです。年の差が小さいほど、ピークが重なりやすくなります。第3子以降は児童手当が増えるなど、制度面での違いもあります。
Q. 教育費と住宅の費用、どちらを優先すべきですか?
どちらかを犠牲にするのではなく、総額と返済額の上限を先に決めて、その枠の中で配分します。家を建てたあとに教育費が足りなくなることも、教育費を気にして家づくりを諦めることも、年表で見える化すれば避けやすくなります。
まとめ:教育費ピークを見据えた家づくりが“後悔しない近道”
子育て世帯の家づくりは、今の家計だけ見て進めると、後から苦しくなることがあります。だからこそ、教育費ピークを見据えて「安全ライン」を作り、その範囲で固定/変動/ミックスを選び、総額を固める。これが一番堅い進め方です。

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【出典・参考】(2026年10月時点の公表資料)
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」(令和8年1月16日・訂正版)
文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」
文部科学省「高校生等への修学支援」(令和8年度の高等学校等就学支援金・新制度の概要)
こども家庭庁「子育て世帯の家計を応援(児童手当の拡充)」
松江市「松江市子ども医療費助成制度のご案内」(令和7年4月1日版)
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」





